まもって騎士ができるまで
皆さんサバイバルモードはもう遊んでいただけましたか? 意外とラブポイントが足りなくてジリ貧になっちゃったりしませんか? バリケードのパワーアップと、プレイヤーのパワーアップのバランスが難しいんですよね。運の要素が強いのでいろんなシチュエーションの中でどう生き残るかを楽しんでいただければと思います。
さて、本日は趣向を変えて『まもって騎士』ができるまでの裏話的なものを公開してみようと思います。思い返せば1年前、2009年10月に『まもって騎士』プロジェクトはスタートしました。実はその前にも水面下でインディーズで何かやろうと社内のメンバーでいろいろと準備をしたり、イメージを固めたりしていました。そのときのイメージがこんな感じでした。といっても実際のゲーム画面ではなく、画像ソフト上でどんなゲームにするかをイメージとしてまとめたものです。
さて、本日は趣向を変えて『まもって騎士』ができるまでの裏話的なものを公開してみようと思います。思い返せば1年前、2009年10月に『まもって騎士』プロジェクトはスタートしました。実はその前にも水面下でインディーズで何かやろうと社内のメンバーでいろいろと準備をしたり、イメージを固めたりしていました。そのときのイメージがこんな感じでした。といっても実際のゲーム画面ではなく、画像ソフト上でどんなゲームにするかをイメージとしてまとめたものです。

画面からも伝わるかもしれませんが、当初はハック&スラッシュをやりたい! というのが出発点だったのです。画面は4:3で、2人同時プレイ可能、ダンジョンを徘徊し、敵を倒してアイテムを奪い突き進んでいく…そんなゲームでした。しかし社内的事情もあり、私一人で進められる規模のシンプルなルールに変更することになりました。そこで固定画面のファンタジー風味ゾンビゲームを作ろう!という路線へと変更になりました。

この画面は社内で『こんなん作るよ!』というのを見せるために作った画像です。もちろん、まだゲームとして動いていない状態です。『画面はイメージです』状態ですね。ボスっぽいキャラもいますが、結局雰囲気が合わないのでボツとしましたが…。ここで初めてプレイヤーが4人になり、裸ニンジャが登場しています。ちなみにニンジャ以外のキャラもいろいろと考えられていて他にはこんな感じのものがありました。

Knightのキャラはエンディング手前のリザルトで出てきますね。キャラの口と鼻、目の表現が今と違います。全体的に変態チックですが、でもこの頃はまだマジメなゲームを目指してました。少なくともタイトルはカッコいいものを想定していたんですよ…。
で、普通のゾンビゲームは銃で戦うものが多いですが、ファンタジーということは接近戦が多くなるだろうことから、陣地を作れるゲームがいいなぁ~ということでバリケードというアイデアがうまれました。

ここにきてようやく実際のゲーム画面です(右のインターフェースは合成ですが…)。この頃は敵がグリッドに沿って移動してなく、自由に移動していました。そのため敵同士の衝突でブルブルと震えていまして…それも面白いといえば面白いのですが、何かが違うなぁ…という気がしてなりませんでした。そこで敵キャラを32ピクセル単位で移動するようにしてみたところ、いかにも8ビット的な雰囲気が出てきたというわけです。またこの前段階ではゲームの解像度が1280×720ピクセルでしたが、これも8ビット感を損なうということで、半分の解像度で作成し、レンダリングした画像を2倍表示しています。
こうしてゲームもらしくなってきたので、敵を大量に表示しどの程度難易度を上げられるかを実験してみました。始めのうちはバリケードを守りながら敵を捌く楽しさがあったのですが、バリケードがなくても普通に敵を捌けてしまうことが判明したのです…。これではバリケードのアイデアがもったいない!ということで守る対象として姫を中央に配置。そして、他のキャラもデザインを進めていきました。

上の画像はキャラデザインをするための作業用シートで、キャラを追加するたびにこの画像に書き足していました。ボツになったキャラもいますね~。エイリアンちっくなヤツは結構カッコよくて好きだったんですが、動かすのが大変そうだったので、デザインをシンプルにしたのが現在のデーモンです。ちなみにこの画像内のドラゴンは実際のゲームで出てくるモノよりも一回り小さいサイズなんです。実はゲームで出してみたらサイズが小さく弱そうな印象を受けたため、全パターンを描き直しているんです。通常、キャラは実際のゲーム画面をキャプチャーしたものに乗せてみて、大きさや雰囲気を確認しています。ドラゴンも同じように確認してはいたのですが、やはり実際に動いてみると違った印象を受けたわけです。大きさもパターン数も多いこともあり、結構手間ではありましたが、やはりドラゴンは見た目のインパクトから『これは倒せないだろ…』と感じる大きさでないとイカンと思うわけです。
さて、こうして現在の『まもって騎士』に近づいてきたわけですが、この段階ではまだタイトルが決まっていませんでした。タイトルは社内でいろいろと談義している間に出た『マモラ騎士(ナイト)』という方向性が気に入り、速攻でロゴを作成しました。

しかし、このタイトル…『マモラ』って何なのよ?ということもあり、最終的に『まもって騎士』へ変更となりました。タイトル名が決まったことは非常に意味が大きく、このちょっとふざけた方向性というコンセプトがゲームに大きく影響していくことになります。この時期まだ各キャラには必殺技という要素がなかったため、Aボタンの攻撃の違いだけがキャラの違いでした。そのためキャラの個性が薄く、どのキャラでも一緒という感覚があったため、飛び道具=必殺技という要素を入れることとなりました。また、タイトル画面後のキャラ紹介もその一環で、大げさなイベントシーンは効果も大きいですがコストもデカいため、簡単なキャラ紹介を作り世界観に厚みを持たせることにしました。もちろん、『まもって騎士』というタイトルのノリがキャラ紹介文に与えた影響は皆さんご存知のことかと思います。
さらにトドメを刺したのがオープニングのカセットふ~ふ~イベントでした。当初は電源が入った時に一瞬だけバグった画面が見えるという押さえ気味の演出だったのですが、こうした悪ノリムードが後押しし『カセットふ~ふ~QTEでも作ってみるかなぁ~』ということで、あんなことになったのでした。
ところで、この演出で使用している効果音なんですが、当初フリーの素材集から似たような音を探してきて使っていたのですがどうにも納得がいかなかったため、ハードオフでファミコンのバルク品を買ってきて音を収録してきました。プラスチック同士が擦れる音…なんともいえない味を出していますよね! そして電源スイッチの切れのあるサウンド! まさにあの時代の音です。

本邦初公開カセットのテクスチャー画像です。カセット裏の注意書きもちゃんと(!?)書かれていますよ!
こうして『まもって騎士』はちゃくちゃくと制作が進行し、当面の目標であるPV動画&PC体験版公開へと向かっていくのでした。本当は2010年1月の公開を目指していたのですが、一人でやっていることもあり、仕様書自体がないこのフリーダムプロジェクトは、日々進化していくためキッカケをつかめず時が過ぎていくのでした…。ゲーム部分の調整もありますが、曲の上がり具合も遅れ気味で少し時間があったため、悪ノリついでにWebを作ることにしました。コストを掛けずに最大限の効果を狙いたかったので動的な要素は不要。むしろ全部画像でいいので、コンセプトだけ貫くことにしました。もともと体験版の最後にチョイ役で出すつもりだったパッケージのために作成したイメージカットや、豊田公子クンがここでも活躍してくれました。雰囲気を出すためにブラウン管で撮影した画像、いかにも子供向けな勢いが暑苦しい文章など、当時の思い出を可能な限り詰め込みました。
こうして現場もノリノリで制作が進み、ようやくまとまりを見せ公開となったのは4月9日となりました。お蔭様で反応も上々で、残った作業と皆さんのご意見を参考に調整を繰り返し2010年5月14日にリリースすることができました。
ネットワーク対応を期待する声が多かったこともあり、発売延期も考えましたが、ネットワークに対応するとなると大きく弄くる必要もあったため、まずは形にすることを優先し、ネットワークについては慎重に検討していくことにしました。ネットワーク周りの研究は日々進めております。まずは1本ネットワーク対応のゲームを作り、環境を整えた後に『まもって騎士』のネット対応ができればいいなぁ~と妄想しています。
[Karu_gamo]

この画面は社内で『こんなん作るよ!』というのを見せるために作った画像です。もちろん、まだゲームとして動いていない状態です。『画面はイメージです』状態ですね。ボスっぽいキャラもいますが、結局雰囲気が合わないのでボツとしましたが…。ここで初めてプレイヤーが4人になり、裸ニンジャが登場しています。ちなみにニンジャ以外のキャラもいろいろと考えられていて他にはこんな感じのものがありました。

Knightのキャラはエンディング手前のリザルトで出てきますね。キャラの口と鼻、目の表現が今と違います。全体的に変態チックですが、でもこの頃はまだマジメなゲームを目指してました。少なくともタイトルはカッコいいものを想定していたんですよ…。
で、普通のゾンビゲームは銃で戦うものが多いですが、ファンタジーということは接近戦が多くなるだろうことから、陣地を作れるゲームがいいなぁ~ということでバリケードというアイデアがうまれました。

ここにきてようやく実際のゲーム画面です(右のインターフェースは合成ですが…)。この頃は敵がグリッドに沿って移動してなく、自由に移動していました。そのため敵同士の衝突でブルブルと震えていまして…それも面白いといえば面白いのですが、何かが違うなぁ…という気がしてなりませんでした。そこで敵キャラを32ピクセル単位で移動するようにしてみたところ、いかにも8ビット的な雰囲気が出てきたというわけです。またこの前段階ではゲームの解像度が1280×720ピクセルでしたが、これも8ビット感を損なうということで、半分の解像度で作成し、レンダリングした画像を2倍表示しています。
こうしてゲームもらしくなってきたので、敵を大量に表示しどの程度難易度を上げられるかを実験してみました。始めのうちはバリケードを守りながら敵を捌く楽しさがあったのですが、バリケードがなくても普通に敵を捌けてしまうことが判明したのです…。これではバリケードのアイデアがもったいない!ということで守る対象として姫を中央に配置。そして、他のキャラもデザインを進めていきました。

上の画像はキャラデザインをするための作業用シートで、キャラを追加するたびにこの画像に書き足していました。ボツになったキャラもいますね~。エイリアンちっくなヤツは結構カッコよくて好きだったんですが、動かすのが大変そうだったので、デザインをシンプルにしたのが現在のデーモンです。ちなみにこの画像内のドラゴンは実際のゲームで出てくるモノよりも一回り小さいサイズなんです。実はゲームで出してみたらサイズが小さく弱そうな印象を受けたため、全パターンを描き直しているんです。通常、キャラは実際のゲーム画面をキャプチャーしたものに乗せてみて、大きさや雰囲気を確認しています。ドラゴンも同じように確認してはいたのですが、やはり実際に動いてみると違った印象を受けたわけです。大きさもパターン数も多いこともあり、結構手間ではありましたが、やはりドラゴンは見た目のインパクトから『これは倒せないだろ…』と感じる大きさでないとイカンと思うわけです。
さて、こうして現在の『まもって騎士』に近づいてきたわけですが、この段階ではまだタイトルが決まっていませんでした。タイトルは社内でいろいろと談義している間に出た『マモラ騎士(ナイト)』という方向性が気に入り、速攻でロゴを作成しました。

しかし、このタイトル…『マモラ』って何なのよ?ということもあり、最終的に『まもって騎士』へ変更となりました。タイトル名が決まったことは非常に意味が大きく、このちょっとふざけた方向性というコンセプトがゲームに大きく影響していくことになります。この時期まだ各キャラには必殺技という要素がなかったため、Aボタンの攻撃の違いだけがキャラの違いでした。そのためキャラの個性が薄く、どのキャラでも一緒という感覚があったため、飛び道具=必殺技という要素を入れることとなりました。また、タイトル画面後のキャラ紹介もその一環で、大げさなイベントシーンは効果も大きいですがコストもデカいため、簡単なキャラ紹介を作り世界観に厚みを持たせることにしました。もちろん、『まもって騎士』というタイトルのノリがキャラ紹介文に与えた影響は皆さんご存知のことかと思います。
さらにトドメを刺したのがオープニングのカセットふ~ふ~イベントでした。当初は電源が入った時に一瞬だけバグった画面が見えるという押さえ気味の演出だったのですが、こうした悪ノリムードが後押しし『カセットふ~ふ~QTEでも作ってみるかなぁ~』ということで、あんなことになったのでした。
ところで、この演出で使用している効果音なんですが、当初フリーの素材集から似たような音を探してきて使っていたのですがどうにも納得がいかなかったため、ハードオフでファミコンのバルク品を買ってきて音を収録してきました。プラスチック同士が擦れる音…なんともいえない味を出していますよね! そして電源スイッチの切れのあるサウンド! まさにあの時代の音です。

本邦初公開カセットのテクスチャー画像です。カセット裏の注意書きもちゃんと(!?)書かれていますよ!
こうして『まもって騎士』はちゃくちゃくと制作が進行し、当面の目標であるPV動画&PC体験版公開へと向かっていくのでした。本当は2010年1月の公開を目指していたのですが、一人でやっていることもあり、仕様書自体がないこのフリーダムプロジェクトは、日々進化していくためキッカケをつかめず時が過ぎていくのでした…。ゲーム部分の調整もありますが、曲の上がり具合も遅れ気味で少し時間があったため、悪ノリついでにWebを作ることにしました。コストを掛けずに最大限の効果を狙いたかったので動的な要素は不要。むしろ全部画像でいいので、コンセプトだけ貫くことにしました。もともと体験版の最後にチョイ役で出すつもりだったパッケージのために作成したイメージカットや、豊田公子クンがここでも活躍してくれました。雰囲気を出すためにブラウン管で撮影した画像、いかにも子供向けな勢いが暑苦しい文章など、当時の思い出を可能な限り詰め込みました。
こうして現場もノリノリで制作が進み、ようやくまとまりを見せ公開となったのは4月9日となりました。お蔭様で反応も上々で、残った作業と皆さんのご意見を参考に調整を繰り返し2010年5月14日にリリースすることができました。
ネットワーク対応を期待する声が多かったこともあり、発売延期も考えましたが、ネットワークに対応するとなると大きく弄くる必要もあったため、まずは形にすることを優先し、ネットワークについては慎重に検討していくことにしました。ネットワーク周りの研究は日々進めております。まずは1本ネットワーク対応のゲームを作り、環境を整えた後に『まもって騎士』のネット対応ができればいいなぁ~と妄想しています。
[Karu_gamo]